6月、新緑のころになってきました。コロナが5類になり、北海道のシラカバ花粉症もようやく落ち着いてきました。
とはいえ、まだ新型コロナウイルスに感染している方は5月を過ぎてから増加傾向にありました。オミクロン株になってから重症化率死亡率ともにインフルエンザ並みになっていますが、コロナの薬が高額なため、インフルエンザのようにはなかなか処方できません。新型コロナウイルスには罹患後症状(後遺症)の割合がインフルエンザよりも高く、一定割合で引き続く倦怠感などから数年にわたって働くことができないような患者さんもいるので油断はできません。
罹患後症状(後遺症)を防ぐためには感染後治っても倦怠感が続く場合十分に休養を取ること、感染時にコロナの薬を内服することだと考えています。
罹患後症状の患者さんの治療も行っていますが、長引いている方の多くは体のだるさがあるにもかかわらず無理をしてクラッシュという状態を引き起こし、悪化しているという特徴があるように思われます。
当院では、上咽頭擦過療法と漢方薬、症状に応じた治療を行っています。今月代診の先生をお願いして学会で当院の治療成績を発表してくる予定です。
また、近年難聴と認知症の悪化の関係が高血圧と同等のリスクになることがわかってきました。補聴器の早期装用が有効であることもわかってきました。これは中等度難聴であっても1m離れた距離で普通の声での会話に支障が出ることから、人と会話をすることが減ってしまい、孤立化してしまうことが原因とされています。ですから、手話などでコミュニケーションをとって、人とのかかわりがあるような場合には心配することはありません。
とはいえ、補聴器は高額でもあり、また、難聴が進行してしまうと慣れるのに時間と努力が必要になることから、早く装用すればいいのはわかっているのですが、高額のゆえに購入に躊躇する方が多くいらっしゃいます。身体障碍まで進行してしまうと、助成はあるものの補聴器を使いこなせない場合がおおく見られますし、またその状態になるまで困っていなかったとすれば人との会話がすでに少なくなっていたと考えられます。そのような状態が長く続くと脳に音が入らない状態が続いているため、補聴器を使って脳に音が入るとかえってうるさく感じてしまうのです。
課税所得のある方は、補聴器は医療費控除の対象になりますので、残念ながら補聴器を必要としながら経済的な理由で購入できない方が多くいらっしゃいます。
ちなみに高齢者の中等度難聴の方に補聴器購入の助成している町村が現在十勝管内に6町村あります。
上士幌町、池田町、新得町、本別町、鹿追町、浦幌町、です。
→ 補聴器購入助成制度 市町村別(PDFファイル:約49KB)