2020年(令和2年)明けましておめでとうございます。今年は子年、十二支のはじまりの年です。
また新たな気持ちで向かっていきたいと考えています。さて、この2年間はE-EAT(内視鏡下上咽頭擦過療法)という治療に力をいれています。この治療自体は上咽頭処置、B-スポット療法などと呼ばれ、三十年以上前からある治療です。
上咽頭とは字のごとく咽の一番上、鼻から一番奥の突き当たる場所になります。急性上咽頭炎と慢性上咽頭炎がありますが口を開けても軟口蓋に隠されて直接見ることはできません。
急性上咽頭炎の場合のどの痛みが特徴ですが患者さんにどこが痛いですかと聞いても、のどぼとけのあたりを指し示すことが多いように感じます。しかし内視鏡で鼻から見てみると鼻の一番奥にべったりと膿の混じった痰がついているにもかかわらず、痛み、飲み込むときの痛みの他には異常を見ないことも少なくないため、ただの風邪としてかたづけられることが多いように見受けられます。
また、慢性上咽頭炎はのどの乾燥感、ひりひりする感じ、鼻がのどに下がる後鼻漏、頭痛、耳のつまり感のように多彩な症状を呈します。さらに病巣感染といって上咽頭とは全く別の場所に症状が出ていることもあり、このE-EATを行うことで思わぬところがよくなることがあります。詳しくは堀田修先生の「つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を直しなさい」萩野仁志先生の「鼻の奥スッキリ病気はよくなる」などの一般向けの書籍が出ていますので是非読んでみてください。私自身も不調を感じるときには自分で処置をします。処置は痛いですが、そのあとが楽になるのは確かです。もし長引く不調がありましたら受診をしてください。
今年も皆様の健康のために頑張っていく所存です。皆様方にとって良い年になりますことを祈念させていただきます。