マダニの耳内咬症

UPDATE:2004.06.09

 今年は、気温が早くから上がっていたせいかいつもより早くにマダニの耳内咬症がでてきました。

 外耳道の壁に食い付いて、脚を動かしていました。周りにある茶褐色の粒は虫卵と思われます。【写真1を見る】
 マダニを摘出した写真はこちらです。
【写真2を見る】

 これから山菜採り、渓流釣りで山に入る機会が増えてきますので気をつけましょう。マダニは山奥ばかりでなく近郊の公園の茂みなどにもいます。マダニが付着してもすぐに皮膚に食い付くわけではなく、柔らかいところまで移動してから食い付きますので、帰ってすぐに入浴をして着替えるなども予防になります。
 また、山に入るときの服装もダニが付着しているのがすぐ分かるように、黒っぽい服をさけるなども有効です。

 このマダニはライム病という聞き慣れない病気を媒介することでも知られています。ライム病はライム病ボレリアという病原体をマダニが食い付いて吸血することによってヒトに伝播するものです。マダニからヒトに伝播するためには48時間以上の吸血が必要とされていますが、吸着しているマダニをひねりつぶしたり、胴体をちぎって頭部が残ってしまうと感染の確率が高くなります。

 ライム病は感染初期には刺された場所を中心とする紅班やインフルエンザ様の症状を呈します。病原体が全身に廻ると神経症状、心疾患、関節炎、筋炎などの多彩な症状を引き起こすことがあります。
 自分でとってきた渓魚や山菜の味は格別なものがありますが山に入るときには熊、スズメバチの他にマダニにも気をつけましょう。

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